7月25日 風は吹かなかった。でも海は裏切らない ― そして思わぬ負傷
7月25日、土曜日。
この日の予報は南風3m/s。
ピークでも3m/sという予報だったので、正直ウィングフォイルには少し厳しい条件だ。
とはいえ、予報はあくまで予報。
江の島では1〜2m/sほど強く吹くこともあれば、逆に外れることもある。
「もしかしたら吹くかもしれない。」
そんな期待を胸に、埼玉から電車で江の島へ向かった。
もし吹かなければ、今日はSUPサーフィンをやればいい。
それでも海にいられるだけで十分幸せだ。
吹くか、吹かないか
12時半頃に到着。
海を見ると、風は体感で2m/s程度。
ウィンドサーファーは数艇出ているものの、ほとんどがV字のまま浮いている。
プレーニングしている艇は全くない。
「今日は厳しいかな。」
そう思いながら先生のところへ向かった。
今日はスクールではないので少し立ち話だけ。
先生も海を見ながら一言。
「今日は吹かないんじゃないかな。SUPの方が楽しめると思いますよ。」
実は迷っていた。
風を期待して念のためウィングフォイルの道具を持っていくかどうか。
フォイルを組み立て、ウィングを準備し、ボードを運び出すまで約30分。
SUPなら着替えるだけで10分。
その20分の差は大きい。
海をもう一度眺めて決断した。
今日はSUPだけ。
万が一風が吹いたら戻ってくればいい。
そう割り切った。
真夏のSUPクルージング
さすがに真夏。
気温は30℃を超えている。
先生に聞くと、まだクラゲはほとんど出ていないとのこと。
いつもはウェットスーツだが、今日は海パンに長袖ラッシュガード。
ライフジャケットとリーシュだけをもって、出艇エリアに向かった。
身軽である。フォイルボードを転がしていくのとはまるで違う。
ビーチについても、セッティングも何なく、SUPはすぐ海に漕ぎ出せる。
波に注意し、サーフィンスクールの人々を避け、ゆっくり沖へ漕ぎ出す。
かなり沖まで出て、海の上から江の島や海岸線を眺める。
埼玉から通っている自分にとって、この時間は特別だ。
ちゃぷちゃぷと波のうねりの音だけが聞こえる。
何も考えない。まさにデジタルデトックス。
心が現れるようだ。
少しだけ残念だったこと
ただ、この日は少し残念なこともあった。
沖に一隻のクルーザーが停泊していた。
男女10人くらいが乗り込み、大音量で盛り上がっている。
バーベキューなのか、お酒を飲んでいるのか、とても賑やかだ。
静かな海でのんびり過ごしたかった自分には少し騒がしく感じてしまった。
もちろん学生時代を思い返せば、自分も似たようなことをして楽しんでいた。
だから、ただのひがみなのかもしれない。
それでも今日は静かな海を期待していただけに、少しだけ興ざめだった。
波は小さい。でもサーフィンは楽しい
沖を何度かクルージングしたあと、恒例のSUPサーフィンを始めた。
ただ、この日は波が小さい。
何とか乗れる波はあるものの、すぐに終わってしまう。
以前なら、このくらいでも十分楽しかった。
しかし最近は少し欲が出てきた。
ある程度乗れるようになったことで、
「もっと長く乗りたい。」
「もっと大きな波に乗りたい。」
そんな気持ちが強くなってきている。
4〜5本ほどライドしたが、どれも物足りない。
もっと岸ギリギリまで乗れば、もう少し距離が伸びるかもしれない。
そう思ってしまった。
一瞬の油断
そして、その一本だった。
岸ギリギリまで粘っていたところで、フィンが砂浜に当たった。
ボードが急停止。
体だけが前へ投げ出される。
頭から落ちそうになった瞬間、無意識に手をついた。
その瞬間だった。
体重が右手の小指一本に集中した。
「ぐにゃ!」
そんな音がしたような気がした。
「あ、折れた。」
本気でそう思った。
慌てて小指を見る。
骨はつながっているようだ。
関節も外れてはいないようだ。
しかし、しびれて動かない。
「これはまずい。」
そう思い、その日の海はそこで終了した。
応急処置から病院へ
持参していた水でしばらく冷やす。
しかし時間が経つにつれ、少しずつ腫れてきた。
帰り道、コンビニで300円もする氷を購入。
「高いなあ」と思いながらも、そんなことを言っている場合ではない。
電車の中でもずっと冷やし続けた。
家の近く、診療時間ギリギリの整形外科へ駆け込む。
レントゲン撮影。
結果は幸いにも骨折なし。
診断は小指の捻挫だった。
ギプスのような固定をしてもらい、そのまま帰宅。
今は小指がほとんど動かない。
少し何かに当たるだけでも痛い。
しばらくは不便な生活になりそうだ。
今日の教訓
振り返ると、原因は明らかだった。
欲を出して岸ギリギリまで乗りすぎたこと。
そして転倒時に手を開いてしまったこと。
それは自然であり仕方がないとも思う。
受け身を取るなら、グーを作るくらいの意識が必要なのかもしれない。
ほんの少しの欲と、一瞬の反射。
それだけでケガにつながる。
海では何度もこういうことを学ばされる。
海は逃げない
結局この日は、ウィングフォイルはできなかった。
SUPだけで終わり、最後にはケガまでしてしまった。
決して理想的な一日ではない。
それでも、不思議と後悔はしていない。
海で過ごした時間。
沖から眺めた景色。
SUPで波に乗った感覚。
それだけでも十分リフレッシュできた。
もちろん、小指は早く治ってほしい。
次こそは風が吹いて、また思い切りフォイリングしたい。
でも海は逃げない。
焦らずしっかり治して、また江の島へ戻ろうと思う。

