9月27日 「聞くと見るでは大違い、見るとやるでは大違い」― 初めて自分で船を操船してみた
今日はウィングフォイルではなく、ちょっと違うことに挑戦した。
船の操船体験。
いつも通っているクラブで操船体験をやっているというので、申し込んでみた。
というのも、最近少しずつ「将来のことを考えると、船舶免許を取っておいた方がいいのではないか」と考えるようになってきたからだ。
ウィングフォイルを続けていく。その活動をもっと広げていく。そうすると、自分が乗って楽しむだけではなく、いずれ船を使えることが必要になるかもしれない。
でも、いきなり免許を申し込む前に、一度ちゃんと船を操船してみたかった。
そもそも自分にできるのか。
向いているのか。
そして何より、やってみて面白いと思えるのか。
それを確かめるための操船体験である。
「聞くと見るでは大違い、見るとやるでは大違い」
若い頃、まだ現場に出ていた時代に、先輩から教えてもらった言葉がある。
「聞くと見るでは大違い。見るとやるでは大違い」
今でも、自分の中ではかなり大切にしている言葉だ。
人から話を聞いただけで、「分かった」と思ってはいけない。
実際に現場へ行って自分の目で見てみると、聞いて想像していたものとは全然違うことがある。
そして見て、
「なるほど。これなら簡単そうだ」
と思っても、今度は実際に自分でやってみると、また全然違う。
つまり結局、何事も自分でやってみなければ本当のところは分からない。
仕事でもそうだったし、スポーツでもそうだった。
ウィングフォイルなんて、まさにその典型だろう。
岸から上手な人が飛んでいるのを見れば、いかにも簡単そうに見える。
ところが自分でやってみれば、とんでもない。
だから今回も同じ。
船舶免許についていろいろ調べるだけではなく、まず自分で船を操船してみよう。
できるかできないかを考えるのは、その後だ。
先生に沖まで連れていってもらい、いよいよ操船
9月27日。
いつもの先生に船に乗せてもらった。
まず先生の操船である程度沖まで出る。
そして安全なところまで来たところで、いよいよ自分がハンドルを握った。
初めて自分で船を操船する。
「さて、どんなものかな」
少し緊張しながら動かしてみる。
ところが実際にやってみると、
「あれ? 意外といけるな」
もちろん車とは違う。
でも、単純に走らせて曲がるという操作そのものは、思っていたほど難しくなかった。
船の操船は「ラグの世界」
面白かったのは、ハンドルを切ったときの感覚だった。
車とは全然違う。
ハンドルを切っても、すぐに船が反応するわけではない。
少し遅れて、
「おお、来た来た」
という感じで船の向きが変わっていく。
そして当然、ハンドルを戻しても、船の動きが瞬間的に止まるわけではない。
要するに、完全にラグのある制御系である。
技術屋的に考えると、これは結構分かりやすかった。
入力して、出力を確認して、また修正する。
ただし入力に対する応答が遅いので、目の前の状態だけを見て操作すると修正が遅れる。
だから少し先の船の動きを予測しながら操作する。
ここで焦って、
「曲がらないな」
と思ってさらにハンドルを切ると、その入力が遅れて効いてきて、今度は曲がりすぎる。
そこで慌てて反対へ切れば、また遅れて反応する。
これを繰り返したら、完全に制御が暴れる。
「なるほど。これはラグを頭に入れて操作すればいいんだな」
そう考えてからは、かなり自然に操船できた。
船もスピードが出ればプレーニングする
そしてスピードを上げていく。
船体が水を押しながら走る状態から、速度が上がって水面を滑るようになってくる。
プレーニングである。
この言葉には昔から馴染みがある。
ウィンドサーフィンでもプレーニングする。
最近ならウィングフォイルは、さらに水面から浮いてフォイリングする。
もちろん原理も乗り物も違うのだが、速度が上がるにつれて抵抗感が変わり、走りが軽くなっていく感覚にはどこか共通するものがある。
船で海の上をスピードに乗って走るのは、やはり気持ちいい。
ただ今日は景色を楽しむというより、
「今、船がどう動いているか」
「このハンドル操作に対して、どれくらい遅れて反応するか」
そんなことばかり考えていた。
初めてなので、どうしても運転に集中してしまう。
でも、それでいい。
今日は遊覧船に乗りに来たのではなく、自分に船を操船できるのかを確かめに来たのだから。
本当に難しいのは、たぶん「走ること」ではない
そして実際に操船してみて、もう一つ感じたことがある。
船も車と同じで、単純に走らせること自体は、それほど難しくないのかもしれない。
車だって、オートマチック車で広い道をただ走るだけなら、慣れてしまえばそれほど難しい操作ではない。
難しいのは、むしろ駐車だったり、狭い場所だったりする。
縦列駐車なんて、その典型だ。
船も同じなのだろう。
広い海で走って、右へ曲がって、左へ曲がってというだけなら、今日の体験でもそれなりにできた。
でも本当に技術が必要なのは、おそらく出港と着岸。
岸壁から安全に離れる。
風や流れを読みながら船を動かす。
そして最後に、岸壁へきれいに横付けする。
しかも船には車のようなタイヤのグリップもなければ、ブレーキもない。
風にも流される。
今日の体験では、そこまですべて自分一人でやったわけではない。
だから、
「船なんて簡単だ」
という結論にはもちろんならない。
むしろ今日分かったのは、走らせることについては自分でも十分できそうだということだった。
「自分にもできそうだ」が分かっただけでも大きい
今日の目的は、船の操船技術を身につけることではない。
体験なのだから、それでいい。
知りたかったのは、
「自分には無理そうなのか」
それとも、
「ちゃんと勉強すればできそうなのか」
ということだった。
結果としては、後者だった。
ハンドルを握っても特別な苦手意識はなかった。
ラグのある動きも、むしろ仕組みとして考えれば理解しやすかった。
スピードが出ても怖いというより、普通に操船に集中できた。
そして何より、
もう少しやってみたいと思った。
これが一番大きいかもしれない。
ということで、船舶免許を取ろう
「聞くと見るでは大違い。見るとやるでは大違い」
今日、改めてその通りだと思った。
船舶免許についてネットでいくら調べても、実際に船のハンドルを握ったときの感覚は分からない。
岸から船を見ていても、自分が操船したときにどう感じるかは分からない。
だから、やってみた。
そしてやってみた結果、
「これなら自分にもできそうだ」
という感触を得ることができた。
もちろん、免許を取るには操船だけではなく、出港、着岸、人命救助、ロープワーク、学科など、これから覚えることがたくさんあるのだろう。
でも少なくとも、船を動かすことそのものに大きな壁は感じなかった。
だったら次へ進んでみよう。
もともとはウィングフォイルの活動を将来もっと広げていくために考え始めた船舶免許。
今日の操船体験で、その気持ちはかなり固まった。
何事も、まずやってみる。
そして面白ければ、もう一歩先へ進む。
ということで次のチャレンジは、一級小型船舶操縦士免許の取得である。

