8月30日 1か月ぶりの海へ ― SUPで向かった七里ヶ浜、思いがけず最高の波
8月30日、日曜日。
前回海に出たのは7月25日。実に1か月以上ぶりの江の島である。
前回は風がなく、SUPサーフィンに切り替えたまではよかったのだが、最後に波打ち際ギリギリまで乗ってしまい、浅瀬で落水。とっさに手をついたときに小指を強烈に突き指してしまった。
その瞬間は「これは折れたか」と思うほどだった。
幸い骨折ではなかったものの、1か月以上経った今でもまだ腫れていて、完全には治っていない。
だから今日は最初からウィングフォイルをするつもりはなかった。
風も弱そうだし、SUPで沖まで出て、海の上から陸を眺めながらのんびりする。
そんな「リハビリ兼リフレッシュ」のつもりで、埼玉からはるばる江の島までやってきた。
ところが、結果的には思いがけずかなり充実した一日になった。
1か月ぶりの江の島
朝9時半頃、江の島に到着。
この日の最高気温は28℃程度。真夏としてはかなり涼しい。
電車を降りた瞬間には、半袖では少し肌寒く感じるくらいだった。
とはいえ、まだ8月。
ウェットスーツまではいらないだろうと考え、長袖・長ズボンのラッシュガードで海へ出ることにした。
短パンと半袖だけでもよさそうだったが、この時期はクラゲも気になる。
先生からは、
「ちょっと寒いかもしれませんよ」
と言われたが、今日はSUP。
そうそう海に落ちるものでもないので、まあ大丈夫だろう。
そして8月末なのに、海の家はまだ営業中。
どうやら来週末まで営業するらしい。
そのため、いつもの広いビーチから自由に出艇することはできず、江の島寄りの端にあるマリンスポーツ用の出艇エリアから海へ出る。
サーフィンスクールの集団の横を慎重に抜けて、久しぶりのSUPで沖へ向かった。
今日は何もしない。それでいいはずだった
沖へ1km弱。
うねりもほとんどなく、海は穏やかだった。
ボードの上に座り、陸を眺める。
何をするわけでもない。
ただ海の上で漂っている。
1か月以上海に出られなかったこともあって、これだけでも十分気持ちがいい。
「今日はこれでいい。」
そう思っていた。
ところが20〜30分ほど漂っていると、穏やかとはいえ海はゆっくり上下している。
だんだん船酔いのような感覚が出てきた。
このまま帰るのも少しもったいない。
まだ海に出て1時間も経っていない。
そこでふと思った。
「せっかくだから七里ヶ浜まで行ってみよう。」
あの有名な踏切を、海側から見てみるのも面白そうだ。
こうして予定になかったSUPツーリングが始まった。
海から見る、あの有名な踏切
七里ヶ浜までは、のんびり漕いで30分ほど。
心配だったのは、やはり小指だ。
左側を漕ぐときにはほとんど問題ない。
ところが右側を漕ぐときは、痛めた手でパドルの下側を持つため、少し気になる。
それでも何度か漕いでいるうちに、指に負担をかけない握り方が分かってきた。
無理はしない。
痛くない動かし方を探しながら、ゆっくり七里ヶ浜へ向かう。
そして、あの有名な踏切付近に到着。
「海から見たら、あの景色はどう見えるんだろう?」
沖から写真を撮ってみた。
……意外と普通だった。
陸側から海をバックに見るからこそ、あの踏切は絵になるらしい。
海側から撮ると、思ったほどドラマチックではなかった。
これも実際に海から行ってみなければ分からない発見ではある。

あれ? 波、かなりいいんじゃないか?
それより気になったのが、七里ヶ浜の海だった。
出艇した片瀬海岸は波がほぼなかった。
しかし、七里ガ浜は、沖から見ると、白波が立っている。
しかも、ときどきかなり沖からきれいに波が割れている。
「これ、もしかして結構いい波なんじゃないか?」
ただ、沖から見ているだけでは波の大きさがよく分からない。
そこで一度陸へ上がり、改めて海を観察してみた。
やはりいい。
たまに少し大きめの波が入り、かなり沖から割れている。
大きすぎて怖いほどではない。
かといって小さすぎてすぐ終わる波でもない。
今の自分には、かなり楽しめそうなサイズだった。
問題は一つ。
指である。
SUPでのんびり漕ぐのとは違い、サーフィンになれば一瞬の反応が必要になる。
バランスを崩したとき、とっさに指を使う動作になれば、また同じ指を痛めるかもしれない。
少し迷った。
しかし目の前には、久しぶりに見るいい波がある。
「せっかくここまで来たんだから、やってみよう。」
結局、誘惑には勝てなかった。
1か月ぶりなのに、意外と体は覚えていた
先生から何度も教わってきたポイントを思い出す。
後ろ足重心。
腰を低く。
波が来たときは、少しノーズを持ち上げるイメージ。
そして何より、波に合わせるタイミング。
久しぶりなので最初はどうなるかと思ったが――
これが、意外なほど乗れた。
波を捕まえる。
立ち上がる。
ボードが加速する。
そこから右へ、左へ、ターン。
「あれ、俺、結構うまくなってるじゃないか。」
自分でも少し驚いた。
気がつけば15本以上乗っていた。
途中で落ちたのは、わずか2回。
1回は後ろ足への荷重が足りず、ノーズが刺さってノーズダイブ。
もう1回は波を一本逃した直後、次の大きな波をそのまま捕まえようとして、スピードが足りない状態のところへ後ろから波がドン。
そのまま巻かれてしまった。
それでも失敗した理由は自分で分かる。
それ以外はかなり安定して乗れた。
右へ曲がる。
左へ曲がる。
波に合わせてラインを変える。
以前なら「波に乗れた」だけで満足していたのが、少しずつ「波の上で何をするか」に変わってきた。
これはなかなか嬉しい。
気がつけば1時間近く、夢中になって遊んでいた。
SUPで3km、江の島へ帰る
十分にサーフィンを楽しんだところで、七里ヶ浜を後にした。
再びSUPに乗り、片瀬東浜へ戻る。
帰りは20分ほど。
距離にすると約3km。
こうして実際に移動してみると、SUPは意外と速い。
「歩くより2倍くらい速いな。」
そんなことを考えながら江の島へ戻った。
今日はウィングフォイルもできないし、指のリハビリ程度に海へ出ようと思っていた。
それが結果的には、SUPで沖へ出て、七里ヶ浜までツーリングし、最後には1時間近くサーフィン。
予想していたより、はるかに充実した一日になった。
そして最後に、次回への秘密兵器
クラブへ戻ると、先生が待っていた。
そして、ちょっと嬉しそうに言った。
「大きいフォイル、手に入れましたよ。」
今使っているフロントウィングは約2000cm²。
それに対して、今回手に入れたのは2350cm²。
かなり大きい。
「これなら弱い風でも浮きますよ。」
これは面白そうだ。
これまで何度も、
「あと1m/s吹いてくれれば……」
という日に泣かされてきた。
夏の江の島は特に風が弱い日も多い。
2350cm²なら、これまで諦めていたような風でもフォイリングできるかもしれない。
指はまだ少し痛い。
だから無理はできない。
でも、そろそろウィングフォイルにも復帰したい。
次回は、この大きなフォイルで久しぶりに飛べるだろうか。
やっぱり海は楽しい
1か月以上ぶりの海。
今日は最初から大きな期待はしていなかった。
SUPで沖へ出て、ぼんやり陸を眺めて帰ってくる。
それだけのつもりだった。
ところが少し足を延ばした先には、思いがけずいい波が待っていた。
そして久しぶりのSUPサーフィンでは、自分でも驚くほど体が動いた。
ケガをする前より、むしろ少し上手になったような感覚さえあった。
もちろん、小指はまだ完治していない。
そこだけは忘れてはいけない。
でも、久しぶりに海の上で思い切り遊んだ。
やっぱり海は楽しい。
次はいよいよ、ウィングフォイル復帰。
2350cm²の大きなフォイルが、どんな世界を見せてくれるのか。
また一つ、次の海へ行く楽しみが増えた。

