10月10日 海で遊ぶ側から、海を支える側へ ― 一級小型船舶免許、初日の実技教習

10月10日。
今日はウィングフォイルの練習日ではない。
というのも、10月10日、11日、12日の3日間、さらに翌週17日、18日と、週末を使って一級小型船舶操縦士免許の教習を受けることにしたからだ。
場所は、いつもウィングフォイルで通っているヨットクラブ。
ここで船舶免許の教習もやっているので、せっかくなら普段から知っている場所で取ることにした。


なぜ今、船舶免許なのか

そもそも、なぜ船舶免許を取ろうと思ったのか。
理由はウィングフォイルだった。
これからもっと海での活動を広げていきたい。将来的には、自分が今教わっている先生のように、海上で人を教えたり、場合によってはレスキューしたり、ボートでトーイングしたりすることもあるかもしれない。
そう考えると、自分がウィングフォイルに乗れるだけでは足りない。
船も操船できた方がいい。
いや、将来本格的に海で活動するなら、むしろ必要になるだろう。
最初は二級で十分だと思っていた。
二級でも沿岸で遊ぶには十分な範囲を航行できる。
ただ、調べていくと、一級なら航行区域がさらに広がる。
その代わり、勉強する範囲が増え、試験も難しくなる。
追加されるのは海図の読み方や、海図を使った距離・時間などの計算問題。
「それくらいなら、まあ大丈夫だろう」
昔の大学受験などで散々勉強してきたことを考えれば、今から少し勉強量が増えるくらいは何とかなる。
それなら、後から「やっぱり一級も取ろう」ともう一度勉強するより、最初から一級を取ってしまった方がいい。
ということで、どうせ取るなら一級。
そう決めて申し込んだ。


初日から、いきなり実技

そして迎えた10月10日。
初日は座学からだろうと思っていたら、自分の日程ではいきなり実技だった。
少し緊張する。
受講生は自分を含めて3人。
実技といっても、いきなり船を運転するだけではない。
ロープワーク、船体やエンジンの点検、出港、操船、人命救助、そして着岸。
船を扱うために必要な基本動作を一通り練習し、最後には実際にできるか確認する。
ただし、自分には一つだけ自信のあるものがあった。
ロープワークである。


ロープワークだけは、すでに仕上げてきた

自分の性格上、「当日初めて教わります」というのは、どうも落ち着かない。
そこでロープワークについては、事前にYouTubeなどを見ながらかなり練習してきた。
特にもやい結び。
これはもう、何度も何度も繰り返した。
当日、先生から一通り説明を受ける。
「あ、それ知っています」
やってみせる。
「あれ、できるね。でもこういうのは、手元を見なくてもできないとダメなんだよ」
「大丈夫です。目をつぶってもできます」
実際に目をつぶって、もやい結び。
完成。
先生も、
「おお、それはすごいね。もう教えることないね」
そこから別の結び方。
「これは?」
「知っています」
「じゃあこれは?」
「それもできます」
結局、試験で使う基本的なロープワークはほぼ全部予習済み。
すると先生が、
「じゃあ、普通はあまり教えないけど、これも教えてあげるよ」
と、別の結び方まで教えてくれた。
これはさすがに知らなかった。
試験対策のつもりで練習してきたら、逆に予定外の技まで一つ増えた。
ロープワークについては、まったく問題なし。
まずは順調なスタートである。


船に乗る前に、まず点検

次は実際の船へ。
ただし、いきなりエンジンをかけて出発するわけではない。
まずは点検。
エンジン。
燃料。
船体。
操船装置。
法定備品。
そのほか、出港前に確認しなければならない箇所を一つずつ教わる。
ウィングフォイルなら、ウィングを膨らませてフォイルを組み、リーシュを確認すれば海へ出られる。
しかし船は機械である。
トラブルが起きれば自分だけの問題では済まない。
「船を動かす」というより、安全に船を運航するための準備から操船は始まっているという感じだった。
点検を一通り覚えたところで、いよいよエンジン始動。
出港である。


初めて本格的に操船する

教習場所から川を下り、広い水面へ出る。
ここから基本的な操船練習が始まった。
まっすぐ走る。
曲がる。
減速する。
周囲の船との位置関係を見る。
航行ルールに従って走る。
最初は当然、ハンドルをどの程度切れば船がどのくらい曲がるのか、その感覚が分からない。
車とは違う。
ハンドルを戻したからといって、船がその瞬間にまっすぐになるわけでもない。
水の上なので、当然ながら慣性もある。
少しずつ、
「これくらいで切れば、こう動くのか」
という感覚を身体に入れていく。
海や川には何十年も親しんできたが、自分でエンジン付きの船を操船するとなると、またまったく別の世界だった。


一番面白かった、人命救助

そして今日、特に面白かったのが人命救助の練習だった。
人に見立てたブイを水面へ落とす。
少し離れたところから船を操船して戻り、その人をスクリューに巻き込まないように注意しながら、できるだけ静かに船を横付けする。
そして救助する。
これは面白い。
単に目標物へ船を近づければいいわけではない。
船には慣性があるので、近くまで勢いよく行って最後にブレーキ、という車のような感覚ではうまくいかない。
速度を落としながら進入し、船の動きを予測して、最後はスッと横へ持っていく。
3回くらい練習した。
そして最後は試験のような形で実施。
無事クリア。
将来、海での活動を広げるために船舶免許を取ろうと思った自分にとって、人命救助の練習は特に意味を感じるものだった。


最後の難関は「着岸」

一通り沖での操船練習を終え、最後は教習場所へ戻る。
そして今日、一番難しかったのが着岸だった。
岸壁に船を横付けする。
言葉にすると簡単だが、これが難しい。
船は車のように「ここで止まりたい」と思った場所にピタッとは止まらない。
惰性で進む。
風でも流される。
水の流れにも影響される。
しかも岸壁に勢いよくぶつけるわけにはいかない。
進入する角度を考える。
速度を落とす。
ハンドルを切る。
船の向きを変える。
最後は岸壁と平行にする。
最初は、
「これ、結構難しいな」
と思った。
でも3回、4回と繰り返しているうちに、少しずつ分かってくる。
船が今どちらへ動いているのか。
この速度ならどこまで惰性で進むのか。
どのタイミングで操作すれば岸壁へきれいに寄るのか。
最後にはかなりうまく横付けできるようになった。
そして実技は無事合格。
まずは一つ目の関門をクリアした。


海で遊ぶために、船を学ぶ

こうして一級小型船舶免許の初日が終了した。
今日はウィングフォイルで飛ぶことはできなかった。
でも、これはウィングフォイルとは無関係な週末ではないと思っている。
むしろその先にあるものだ。
自分一人が海で遊ぶだけなら、船舶免許は必要ない。
しかし将来、ウィングフォイルの活動をもっと広げて、人と一緒に海へ出たり、安全を確保したり、レスキューやトーイングまで考えるなら、船を扱えることは大きな武器になる。
今日はロープを結び、船を点検し、自分で操船し、落水者を救助し、最後には岸壁へ船を着けた。
これまでとは少し違う角度から、海に近づいた一日だった。
そして何より、やってみると船の操船そのものが結構面白い。
ウィングフォイルで海の上を飛ぶ技術に、今度は船で海を動く技術を加える。
一級小型船舶免許取得への第一歩。
初日の実技は、無事クリアである。

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