3月14日 2週間ぶりの復帰戦 ― 「浮く」から「走る」への壁
3月14日。
この日の練習は、実は少し特別な意味を持っていた。
本当なら1週間前の3月7日にも海に来る予定だった。しかしその前回の練習で、腰をぐきっとやってしまい、ほとんどぎっくり腰のような状態になってしまった。さすがに1週間では痛みが引かず、残念ながら練習は断念。
ということで、この日は2週間ぶりのウィングフォイルだった。
オフショアの不安
この日の風は北風。つまり**オフショア(陸から海へ吹く風)**だ。
初心者にとってオフショアは少し怖い。沖へ流される可能性があるからだ。ただ今回は先生がついているレッスンだったので、その点は少し安心して海に向かった。
予報では風速6〜7m/s。
その後5mくらいまで落ちる見込み。
正直なところ、自分としては5m/sくらいが一番練習しやすい。
「ちょうどいいコンディションになるかもしれない」
そんな期待を持ちながら海へ向かった。
予想より強い風
海に着いてみると、意外と吹いている。
ただ安定した風ではなく、吹いたり少し弱くなったりを繰り返す感じ。体感では6m/sくらいだろうか。
この日は砂浜で集合ということになっていたが、先生は別のレッスン対応中でまだ来ていなかった。そこでウィングサイズをどうするか一人で悩むことになった。
そこまで風が強いとは思えなかったので、悩んだ末、
・6㎡
・5㎡
の2枚をビーチにもっていくこととした。
4㎡も持っていくか迷ったが、3枚運ぶのは大変なので、
とりあえずその2枚を持って海へ向かう。
いきなり判断ミス
海で先生と合流すると、第一声が
「今日は風強いので4㎡で行きましょう」
しまった。
「すみません、4㎡持ってきてません…」
先生は少し驚きながら
「じゃあ5㎡でやってみましょうか」
ということで5㎡を膨らませて出艇。
しかし海に出てすぐ分かった。
強い。
5㎡では完全にオーバー気味。ウィングが引っ張りすぎてコントロールが難しい。
先生もすぐに判断。
「これは4㎡ですね」
結局、一度陸へ戻ることになった。
4㎡で再スタート
空気を抜き、道具を置き、急いで4㎡を取りに行く。往復10〜15分ほど。少し面倒だったが仕方ない。
4㎡を張り直して再出艇。
すると状況は一変した。
風は強いが、しっかりコントロールできる。
そして何より風上に登れる。
ウィングフォイルでは、風上に戻れるかどうかが安全性に直結する。これができれば安心して練習できる。
両サイドを往復しながら、ウォームアップを重ねる。
フォイリング練習へ
しばらくして先生から
「じゃあフォイリングチャレンジしましょう」
ここからが本番。
今回意識したポイントは2つ。
①ウィングの空気圧
前回の反省から、規定圧までしっかり入れている。これでウィングがしっかりして、パワーを逃さない。
②ボードの乗り位置
ウィンドサーフィン経験者の癖で、どうしても風下側に体を倒してしまう。それだと浮いたときにフォイルが斜めになりすぐ落ちる。
YouTubeで学んだことを実践する。
・ボードの真ん中に立つ
・体を倒しすぎない
浮く。でも落ちる。
トライ開始。
スピードをつける。
パンピング。
そして――
スッと浮く。
だが、すぐ落ちる。
また浮く。
また落ちる。
これは前回と大きく変わらない。
風が変わり、再び5㎡へ
その後、少し風が落ち着いてきた。
先生が判断する。
「風が落ちてきたので、5㎡に換えましょう」
再び陸へ戻り、今度は5㎡をセット。
この5㎡は比較的新しいモデルで、とても扱いやすい。
弱いところではパンピングで加速し、フォイリングへつなげる。
ついに「自由に浮ける」段階へ
そしてここで大きな進歩を感じていた。
ほぼ100%浮ける。
フォイリング、浮こうと思えば浮ける。
スッと浮いて、長いときは5秒ほどフォイリング。
しかし、その後落ちる。
自転車と同じ
この段階で感じたことがある。
これはまさに子供が初めて自転車に乗る瞬間と同じだ。
親が後ろを支えて走り出す。
手を離す。
数秒は走れる。
でもやがてバランスを崩して倒れる。
次はハンドルを切る。
今度は切りすぎて反対側へ倒れる。
つまりこれはフィードバック制御の問題だ。
エンジニア的に言えば、PIコントローラーのようなもの。
狙う位置からのずれに対して、体が適切な方向に、適切な量を制御することで
初めてその状態が維持できる。
正しい位置を保つというのは、じっとしていることではなく、
微妙に制御する必要があるのだ。
ウィングフォイルの場合はさらに複雑だ。
・左右バランス
・前後バランス
・ウィングの角度
三次元の制御になる。
最大の課題
先生からずっと言われていることがある。
「浮いたら、手を伸ばしなさい」
しかし浮いた瞬間、どうしても体が縮こまる。ウィングにしがみついてしまう。そうすると余計な力が入り、バランスを崩す。
レッスンが終わってから気づいた。
これにトライしてみよう。
浮いた瞬間にウィングをニュートラルにする。
つまり
パンピング → 浮く → 力を抜く
これが次の鍵だ。
次のステージへ
今回の練習で分かったこと。
浮くこと自体はもうできる。
問題はそこから先。
フォイリングを維持する制御だ。
次回は
「浮いた瞬間、ウィングをニュートラルにする」
これをテーマに挑戦したい。
フォイリングはもう目前。
そんな手応えを感じた、2週間ぶりの復帰レッスンだった。
水面に太陽が反射してきれいなシーンがとれました。

