9月27日:SUP 波乗り:Wingなし
今日も風がない。
朝の江の島は静まり返り、海面は穏やかすぎるほど穏やかだった。
「SUPで江の島一周するか、波乗りにするか――」
先生と相談したが、風がほとんど吹かないこの晩夏では、選択肢は限られていた。
本当に、江の島の夏は“吹かない”。
このまま秋風が待ち遠しくなる。
ところが、ビーチに出てみると意外な光景が広がっていた。
きれいに整った波が、静かに寄せては返している。
そして驚いたことに、
あれほど夏には溢れていたサーフィンスクールの人影が一人もない。
波に乗る人もいない。
まるで海が「今日は君のための海だ」と言ってくれているようだった。
迷わず、波乗りを選んだ。
今日は一歩前へ進むレッスン。
先生に頼らず、自分で波を選び、
自分でタイミングを見計らい、
自分の判断でパドルをこいで波に乗る。
言うは易く、行うは難し。
波の形、速さ、押し寄せる角度――
それらを読むのは思った以上に難しい。
けれど、何度も挑戦するうちに、
少しずつコツがつかめてきた。
体が波の動きと呼吸を合わせ始め、
ついに「乗れた」と思える瞬間がいくつか訪れた。
といっても、前回と同じく、
波に直角に、まっすぐ立ったまま乗るだけのシンプルな形。
それでも、自分の力で掴んだ波は、
どこか特別な喜びをくれる。
レッスンの終わり、先生が言った。
「もうSUPサーフィンも一人で練習しても大丈夫だね。」
その言葉を聞いて、心の中で小さくガッツポーズをした。
そこで、レッスン後は一人で残り、居残り練習をすることにした。
何度も波を待ち、乗り、失敗し、また挑戦。
その合間にSUPで沖へ出て、パドルをこぎながらバランスをとる練習もした。
沖では静かな時間が流れ、
波の音とともに心が落ち着いていく。
デジタルも喧騒もない、純粋な海の時間――
まさに最高のデジタル・デトックスだった。
先生からは次の課題ももらった。
「次回は普通のサーフィンみたいに、横に向いて波に乗る練習をしよう。」
それは嬉しい知らせだったが、
心のどこかで、やっぱり思ってしまう。
――次こそ、Wingがやりたい(泣)。

まだ暖かいので、夕方になっても海に残っている人が多かったです。

