9月6日:Wingボード (5.3m3+Wing用ボード)

今日も浜でのスクール。
空には少し雲が流れ、海面がきらきらと光っている。
そして今日は――ようやく風がある。
弱めではあるが、安定して3〜4m/s、
ときおりブローが入ると6〜7m/s。
「今日は期待できそうだ」と、胸の奥が少し熱くなった。

9月に入り、海水浴エリアの規制がようやく終わった。
海は少し静かになり、自由な航路が戻ってきた。
とはいえ、まだ黄色いブイのラインが残っていて、
これにかからないようにするのが小さなプレッシャーだった。
それでも、今日の風なら行ける――そう感じた。

風はやや斜めのオンショア。
いつものようにスターポートサイドで沖へ向かい、
ボードサイドで陸へ戻る。
風に向かって登れなければ、
また砂浜を風上へ歩いて戻らなければならない。
先週はその繰り返しだった。
だが今日は違う。

風があるだけで、すべてが軽い。
Wingの重さも感じない。
先生のアドバイスを思い出す――
「マストを立てて、前と後ろの手は45度を意識して。」
その姿勢を取ると、ボードがスッと走り出す。

ブローが入ると、レールを少し風上側に踏み替え、
ボードをラフさせて風をつかむ。
ジャイブでは、一度Wingをニュートラルにして、
力づくで方向を切り替える。
不格好な動きだが、落ちなければ問題ない。
何度も方向を変えながら、沖へ、沖へ。
気がつけば、黄色いブイがどんどん小さくなっていった。

はじめは、あれほど気になっていたブイ。
あれほど恐れていた“ロープの外の世界”。
今はそのすべてが、はるか彼方の景色になっている。
風上に向かって自由に航行できるようになったのだ。

海の上で、先生の声が届いた。
「もう一人でも大丈夫だね!」
その言葉を聞いた瞬間、
胸の奥が熱くなり、思わず笑顔がこぼれた。
この一言が、どれほどの意味を持つか、
自分が一番よく知っている。

今日は、明確に“上達した”と感じた一日だった。
何度も沈し、何度も悔し涙を飲んだあの日々が、
ようやく報われた。
海の上を走りながら、
風の音が祝福のように耳を抜けていった。

海の家が取り壊されています。「夏草や、つはものどもが夢の跡」ですね。まだ暖かいというか暑いので多くの人が海に来ています。

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です