1月24日 フォイリング目前、そして強風に翻弄されたレッスンの日
1月24日。この日はウィングフォイルのレッスン日だった。
天気予報は極端だった。
朝は3〜4m/s。午後は8〜9m/s、さらに上がる予報。
正直に言えば、午後の8〜9m/sは初心者の自分には強すぎる。完全にオーバーパワーの世界だ。ただ、朝の弱風から徐々に吹き上がるなら、その途中に「ちょうどいい時間帯」があるかもしれない。
インストラクターの先生も
「朝イチからやりましょう」
と提案してくれ、9時スタートになった。
「今日はいよいよフォイリングできるかもしれない」
そんな期待を胸に、少し早起きして海へ向かった。
しかし…弱い
浜で5.0㎡のウィングをセットした。自分にとっては中間サイズで、普段の練習にはちょうどいい大きさだ。
「これなら朝の風でもいけるかな」
そう思って海に出たが、実際に走り出すと、弱い。いや、かなり弱い。
ウィングに風が入らず、ただ重い。引っ張ってくれない。推進力がないのに腕で支え続ける感覚。弱風のウィングは、ウィンドサーフィンよりも疲れる。前に進まないのに体力だけ削られていく。
「今日は厳しいか…?」
ただ、完全な無風ではない。ときどき4m/sほどのブローが入る。その瞬間だけ世界が変わる。
スッと走り出す。
スピードが乗る。
ウィングが軽くなる。
風上にも登れるし、気持ちよくクルージングできる。
そのタイミングで先生からアドバイス。
「下ってスピードをつけて、フォイリングにトライしてみましょう」
ウィングの基本操作は十分できている。これからは“浮く練習”の段階に入ろう、ということだった。
「苦節半年…ようやくここまで来たか」
初心者なりに、確実にステップアップしている実感があった。
フォイリングへのトライ
練習方法は明確だった。
・まず風上にしっかり登る
・帰り道で下って加速
・パンピングして浮かせる
下ればスピードは出るが、その分どんどん風下へ流される。だからまず風上に「貯金」を作る。理にかなっている。
ブローが来た瞬間に一気に下らせる。
スピードを作る。
パンピング、パンピング。
「浮け…浮け…!」
ボードが一瞬軽くなる感覚。フォイルが水面を持ち上げようとする気配。
「あと少し!」
しかし2回挑戦して、惜しいというレベルまではいかず、結局沈。海に落ちる。
「もう一回!」
そう思ったころには風が落ちていく。そして止まる。
そして、吹きすぎ
一度上がって休憩。しばらくするとまた風が入ってきた。
「よし、もう一回行こう」
再スタート。
しかし今度は――吹きすぎ。
さっきまでの微風が嘘のようにビュンビュン吹く。体感では10m/s近い強風。海面は白波だらけ。一気に別世界になった。
こうなると練習どころではない。
ウィングが引っ張られすぎる。
ボードが暴れる。
コントロール不能。
「これは無理だ…」
完全にエキスパート専用コンディション。初心者レベルでは太刀打ちできない。
最後は普通に立って乗ることもできず、やむを得ずボードに座って帰還した。これはある意味“反則技”だが、ウィングフォイルは座っても前に進める。実はこれ、ウィンドサーフィンにはない大きなメリットだ。
風を逃がしながらゆっくり陸へ。
「助かった…」
正直ホッとした。
悔しさと確かな前進
「小さいウィングに替えてもう一回出ようかな」
未練もあったが、先生から「今日はもうやめましょう」と冷静な判断。安全第一。このコンディションで無理をする意味はない。
本当は今日こそ
「フォイリング成功!」
といきたかった。
強い決意で来ただけに悔しい。
しかし、
・ウィング操作は上達していると言われた
・フォイリング段階に入った
・浮く感覚を少しつかめた
確実に前進している。
「もうすぐだな」
そう思えるレッスンでもあった。
自然相手のスポーツは、いつも思い通りにはいかない。だが、だからこそ面白い。
次こそは、あの瞬間、水面から完全に浮いて走る。
そう強く心に刻んだ、少し悔しく、しかし確実に前向きな一日だった。

