2月28日 無風の海で見えた突破口 ― パンピング覚醒の日
2月28日(土)。
この日はウィングフォイルの自主練習の日だった。
前日の時点でインストラクターの先生からは
「明日はあまり風が吹かなそうだから、SUPでもどうですか」
という提案を受けていた。
しかし、私が見ていた天気予報では違った。
午後1時ごろから北風が5m/sほど吹く予報になっていたのだ。
「5m吹けば十分練習できる」
そう信じて、先生には
「1時に行きます。もし風が吹いたらレッスンをお願いします。コンディションが悪ければ自主練習します」
と伝え、2時間かけて江の島へ向かった。
予報と現実
そして午後1時、海に到着。
しかし――風がない。
北風どころか、まだ南風のまま。
体感で2m/s、よくて3m/sといったところ。
「これは厳しい…」
それでも、ここまで来て引き返す気はない。
3mでもあればパンピング練習くらいはできる。
そう判断し、今日は6㎡のウィングで出ることを決めた。
先生には会えなかったので、受付の方に
「今日はコンディションが悪いので自主練習します」
と伝言をお願いした。
ところが、道具を抱えて海へ向かう途中で、先生がわざわざ待っていてくださった。
「今日はあまり吹かなそうですが、頑張ってきてくださいね」
その一言に、ありがたさと温かさを感じた。
「よし、やれるだけやろう」と気持ちが引き締まった。
無風との戦い
海に出てみると、やはり風は弱い。
1〜2m/sほどしかない。
ウィングフォイルでは、この風はかなり厳しい。
ウィンドサーフィンならマストがあるのでセイルは自然に立つ。
しかしウィングは違う。自分の腕で持ち上げなければならない。
風がないと、ただただ重い。
それでも今日は覚悟してきた。
テーマはパンピング練習。
YouTubeで何度も見てイメージしてきた動きを試す。
突然つかんだ感覚
すると――
「あれ?」
先週とは明らかに違う。
パンピングすると、進む。
風がほとんどないのに、ボードが前へ動く。
しかも感触がいい。
先週は5㎡のウィングだったが、今日は6㎡。
面積が大きい分パワーが出るのは確かだ。
しかしそれだけではなかった。
今日はウィングの空気圧を規定圧ギリギリまで入れていた。
これまではパンクが怖くて7〜8割程度だったのだ。
しかし今日は違う。
柱がしっかりしている。
パンピングしたときに
力が逃げず、そのまま推進力になる。
「ああ、これか」
まるで別物のウィングのようだった。
パンピング練習、手応えあり
パンピングを10回、20回と続ける。
ボードが前へ進む。
沖へ出る。
ジャイブで方向転換。
そしてまたパンピングで岸へ戻る。
このサイクルを何度も繰り返す。
不思議なことに、思ったほど疲れない。
動きが効率よくなったのかもしれない。
「これは…パンピングつかんだかもしれない」
そんな手応えがあった。
もしここにあと1〜2mの風が加われば、
パンピングだけでフォイリングまで持っていける気がする。
そしてそのまま浮いた状態を維持できる。
先生の言葉の意味
ここで、ようやく理解したことがあった。
これまで先生が
「パンピング練習をしましょう」
と言っていた意味だ。
正直なところ、以前はこう思っていた。
「まだWingの位置と足の操作に集中したいのに、パンピングなんてまだ先でもいいのではないか」
しかし違った。
江の島では、強風の日ばかりではない。
むしろ弱風の日の方が多い。
そして弱風の日は、
波が立たず、水面がフラットになる。
つまり――
パンピングで浮かせる練習には最高の環境なのだ。
この瞬間、まるで電撃が走ったように理解できた。
「そういうことだったのか」
目から鱗だった。
そして突然のアクシデント
実は、この日のドラマはもう一つあった。
道具を準備して、海に出る前には準備体操やストレッチをやるのだが、
さすがにセミドライスーツを着る前はやらない。しかしこのルーチンを変える必要があると感じる出来事が・・。
セミドライスーツを着る途中で――
腰が「グキッ」
「しまった…」
ほぼぎっくり腰に近い痛みだった。ドライもウェットも脱ぎ着は結構大変で変な体勢になったのかもしれない。
せっかく2時間かけて来たのに、ここで帰るわけにはいかない。
痛みを我慢して海に出た。
そして、先ほどのパンピング練習を続けた。
しかし時間が経つにつれて、やはり腰が痛くなってきた。
充実と不安
それでもこの日の練習は、非常に充実していた。
・パンピングの感覚をつかんだ
・ウィング空気圧の重要性を理解した
・弱風練習の意味が腑に落ちた
大きな前進だった。
ただ一つの問題は――腰。
「来週できるかな…」
そんな不安も少しある。
充実感と、体の不安。
その両方を抱えながら、この日の練習を終えた。
結構遅くまで頑張ったので帰りは暗くなっていました。江の島の駅のライトアップが始まっています。

